喫茶養生記
喫茶養生記は栄西禅師が著した日本最古の茶書です。栄西は鎌倉時代に活躍した禅僧であり、茶の歴史において重要な役割を果たしました。栄西は宋に渡り、禅宗の教えを日本に伝え、また茶の栽培・製法・飲用法・効能を研究し、その成果をまとめた「喫茶養生記」を71歳の時に完成させます。当書は当時の茶の文化に大きな影響を与え、茶の普及と発展に大きく寄与します。栄西は健二2年(1202年)源頼朝の死をとむらい京都に健仁寺を建立し、健保2年(1214年)源実朝のもとに茶を良薬として進め、喫茶養生記を献上しました。
茶は養生の仙薬、延命の妙術なり
喫茶養生記は、上巻「五臓和合門」と下巻「遣除鬼魅門」の2巻からなり、人間の身体的健康と精神的安定のための茶の効能を述べています。
五臓和合門
茶が体内の五臓(心臓・肝臓・脾臓・肺臓・腎臓)を調和させ、体調を整える作用があるとされています。
遣除鬼魅門
茶は心を落ち着かせ、精神を安定させる効果があり、禅の修行や瞑想において重要な役割を果たすとされています。
喫茶養生記に著した茶の効能
集中・リラックス効果
茶を飲むことで心を落ち着かせ、精神を安定させる効果があるとされています。茶に含まれるカフェインやアミノ酸の一種であるテアニンが、集中力やリラックス効果をもたらすと考えられています。
解毒作用
茶に含まれる成分が体内の有害な物質を排出する働きを促すとされています。特に緑茶には抗酸化作用があり、体内の酸化ストレスを軽減する効果があるとされています。
利尿作用
茶には利尿作用があり、体内の余分な水分や老廃物を排出する助けとなると言われています。これにより、むくみの改善や体内の浄化が促進されると考えられています。
消化促進
茶には消化を助ける働きがあり、食事の後に茶を飲むことで胃腸の働きを活性化させる効果があるとされています。